経緯
VRChat内のエンジニアコミュニティで、週一の読書会を実施している。読んだ本の読書メモをこちらにアップしていこうと思う。
読む本を探す/選ぶのに参考になるような情報を記載したい。
前回に引き続き、読んだ本は『ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書』
前回の記事はこちら ↓ (第5章.コミュニティの成果を評価する)
本の概要
この章ではビジネスコミュニティを実際に立ち上げる際に何をやるか、どの点に注意すべきかを具体的に説明している
今回読んだ章は「第1章 ビジネス・コミュニティを立ち上げる」
3ステップでビジネス・コミュニティをつくる
下記の3ステップでコミュニティを作る
- Step1.方向性を決める(ビジョンやターゲット)
- Step2.具体的な企画を立て計画に落とし込む
- Step3.参加者を集める
Step1.まずは方向性
- ある程度具体性を持たせた方向性を設定すること
- コミュニティ参加を通して参加者がどのようなことを実現できるようになるのかを明確にする
- 例
- 「自社製品の価値を理解し、周囲に広げてくれるようなコミュニティを作りたい」
- 「エンジニアが気軽に議論できる場を作り、社内の枠を超えた着想のきっかけをつかむこと」
- 例
- 進め方の例
- 関係者に問いかけながら決める
- 例
- 社内で議論し「自社の信頼感を武器に、楽しく健康な体づくりのできるコミュニティを作ろう」という方向になった
- しかし、前述のビジョンをもとに再び商品の利用者に調査を実施すると、コミュニティのビジョンは「健康づくりを100倍楽しくする」と修正された(商品の利用者に調査を行うことで、コミュニティ参加者に共感できるビジョンになった)
- 注意ポイント
- 最初につくるビジョンは大切。あらゆる意思決定の判断基準になる
- ビジョンがあいまいだと短期的な売り上げアップばかりを追い求めたコミュニティになる。大切な長期的な課題解決が後回しになりコミュニティが衰退していくことになりかねない
- コミュニティ運営者は常に「何のためにやっているのか」という方向性を見失わないようにする。コミュニティを取り巻く環境が変わったときに必要性をきちんと説明できなくなる
Step2.企画して計画する
- 誰に向けた企画か?を明確にする
- ビジョンが明確なら企画はすんなり決まる
- コミュニティの対象を絞るときには、ビジョン作りでヒアリングした自社の製品やサービスの熱心なユーザが役立つ
Step3.参加者を集める
- 本書には明確な解説がなかったが、おそらく下記のようなことを著者は考えているのだと推測される
- 後段のイベントとコンテンツが参加者を募る手段になる
- イベントとコンテンツの年間実施計画を立てることで参加者の募集についての具体的な計画を作る
イベント
- 目的を明確にして狙ったターゲットを適切な規模で集めること
- コミュニティの成熟段階や使えるリソースを考えながらコミュニティの全体像を決めていく
- イベントの狙い2つは、
- 1.コミュニティ参加者と積極的にコミュニケーションをとること
- 2.コミュニティのビジョンを発信し、賛同者、協力者を見つけること
イベントの規模と特徴
- a.ミートアップ:(4~20人)
- 特徴:参加者が顔の見えるコミュニケーションをとれる規模
- 目的:参加者が互いに顔の見えるコミュニケーションをとり、帰属意識を高める
- b.小規模イベント(20~50人)
- 特徴:ワークショップ、複数登壇者のトークセッションが向く規模
- 目的:常連と新参、外部からのゲストとコミュニティ参加者。様々な参加者の交流を通じて活動の熱量を上げる
- c.中規模イベント(50~200人)
- 特徴:トークセッションが向く。登壇者との距離はあるものの良いテーマの登壇者が出演すれば集客しやすくなる
- 目的:新たなコミュニティ参加者を増やす。
- 大規模イベント(200人~)
- 特徴:カンファレンス
- 目的:コミュニティの活動を対外的に伝える。「世の中を効果得たい」というメッセージを発信し、結束を強める
イベント規模における考慮ポイント
- 初年度は中規模イベントを年に1回開催することを最終ゴールに設定するのも良い。それに向けて小規模イベントを年3~5回程度開く
- イベント登壇をきっかけに影響力のある人々とつながれば、その先もコミュニティ活動に協力してもらえることも期待できる
- 小・中規模のイベントはコミュニティの結束を強めるという効果もある
- 大規模イベントはコミュニティの体力がついてから開く。2、3年後に開くイメージ
イベント形式は下記がある
- 「1対n型/LT型」:双方向性は低い
- 「トークセッション型」:特定テーマについて話す場合、効果が高い。質疑が盛り上がれば熱量を上げることができる
- 「ワークショップ型」:
- 「ハッカソン・アイデアソン型」:その企業の製品やサービスに長時間向き合うため、ビジネスイベントに向く
コンテンツ
イベントに参加できない人に向けてイベントの様子を伝え、疑似体験してもらうのがコンテンツの狙い
コンテンツの種類
■イベント、コンテンツの計画
それぞれの活動がコミュニティの目的に収れんするように設計する
年間スケジュールの立て方
- 1.リソース(人員、予算、時間)とイベントの規模、準備期間を参考にイベントの規模と開催頻度を決める
- 2.各イベントの形式を決める
- 3.イベントとイベントの間にコミュニティ参加者とどう交流するのかを考える
- 4.年間スケジュールを作成し、それぞれの企画が流れになっているか確認
- 5.年間スケジュールを確定
1年目は運用体制を整えることに専念する
参加者を集める
- コミュニティに興味を示しそうな熱心なファンに声をかけるところから始める。
- B2Cであれば製品・サービスの愛用者を中心に参加者を募る。
- B2Bであれば既に付き合いがあり、面白がってくれそうな顧客企業の担当者に声がけする
具体的な集め方
- 1.最初はおよそ10人を目安に声がけ
- 2.5~10人規模のミートアップを開く
- 3.ミートアップで製品やサービスについてヒアリング
- 4.,友人、仕事上、付き合いのある人など輪を広げる.
- 5.SNSで参加者とつながり、コミュニケーションを続ける
他のコミュニティを見学する
- 先輩コミュニティ運営者の動きを、参加者として体験する
- どのようなコミュニティが理想的かイメージがまとまってくる
所管
コミュニティといってもイメージしにくい方が多いのではないか。
そうした場合、実際に運営されているコミュニティに参加してみることを強くお勧めする。
複数のコミュニティに数か月程度参加してみると、どのようなコミュニティであればメンバーが積極的に参加してくるのか、それは企業にどのような効果をもたらしそうなのか、イメージが浮かんでくる。