## 資料
- 人工知能研究の新潮流2 ~基盤モデル・生成AIのインパクト~|戦略提案・報告書|研究開発戦略センター(CRDS)
- https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2023-RR-02.html
## 第4世代AIのまとめ(状況、独自AI開発の理由、提言)
「所感」
技術視点というより政策提言という視点で記述されたもの
- 日本にとっての状況認識まとめ
● 対話型生成系AIの進化が、人間の知的作業全般に急速な変革をもたらし、
産業、研究開発、教育、創作などさまざまな分野に幅広く波及しつつ
ある。その開発・活用が、人や組織の生産性向上に直結し、
国の国際競争力を左右する。
● 一過性の話題ではなく、大きな変革期の始まりと認識して迅速に
対応すべきであろう。日本でも対話型生成系AIの活用・応用開発が
積極的に展開されており、産業・経済の活性化につながるとの期待がある。
政府の政策面でも迅速・活発な検討が始まっている。
● 大規模モデルは学習1回に億円超の計算費用がかかるため、
Big Tech企業で構築したものをAPI利用しているのが現状である。
この中核汎用技術を海外APIに依存することは、経済安全保障面および
科学技術政策面でリスクになる。API利用対価を払い続ける負担も大きい。
● API利用では、応用開発は進めることができても、知能モデルの
解明・探究というAIの基礎研究において大きなハンディキャップを負う。
学習させるデータや出力の良否判断は国の価値観・文化を反映するので、
海外API依存はその判断の自立性を手放すことにつながる。
- 国内で独自AIを開発、保有する理由
● 経済安全保障面でリスクがある(さまざまな産業の生産性向上が
他国のシステムに依存する)
● 科学研究の国際競争力の相対的に低下する(競争力の基盤を他国に
依存する)
● 知能モデル・AIの基礎研究でハンディキャップを負う(API利用のみの
研究では限界がある)
● 国の価値観・文化に関わる判断の自立性を手放すことになる(他国の
価値観に染まる)
- 提言
- ChatGPTなど既に広く使われている極めて大規模な基盤モデルに、
今から追いつくことは難しいが、
- 上記リスクを考えるならば、何らかの国産基盤モデルを開発・維持
していくべきであろう。
## 『AIソフトウェア工学』についてのまとめ
- まとめ
- 機械学習がソフトウェア開発にパラダイム転換を起こす。
機械学習を前提としたのが「AIソフトウェア工学」
- 従来の演繹型開発(プログラムを書く手法)から、
機械学習を用いた帰納型開発へと進展していく
- この工学は、AI向けの帰納型システム開発に対応する拡張技術
体系・方法論として位置づけられ、国内では「機械学習工学」、
海外では「Software2.0」とも呼ばれる
2017年後半から、この工学は海外でも新しいパラダイムとして
認識されている